山田ルリ子さんデザイン、夏プルオーバーもご紹介 母から私へ、ベビーロックのある暮らし

シンプルでいて素敵な作品作りが評判の山田ルリ子さん。主宰されている洋裁教室や、ご自身の作品にベビーロックは欠かせない存在だそう。そこでルリ子さんにベビーロックについて尋ねたところ、母と娘の素敵なお話を聞くことができました。また、今回はルリ子さんデザインの夏にぴったりなプルオーバーをあわせてご紹介します。「糸取物語 Wave Jet」と「ふらっとろっく」で作れるので、挑戦してみては。

ベビーロックとの出会いを教えて下さい

ルリ子さん

最初に出会ったベビーロックは母が持っていたものでした。母はオーダーメイドの仕事をしていたので家にミシンがあるというのは普通のことで。私も子供の頃、最初はお人形の洋服を作ったり小物を作ったりしていました。そうしているうちに本格的に勉強したいと思って洋裁学校に通うことに。母の持っていたベビーロックを貸してもらって課題を仕上げていました。

お母様のベビーロックはいつ頃購入されましたか

ルリ子さんのお母様(以下お母様)

今から40年くらい前に2本糸のロックミシンを購入しました。オーダーメイドの仕事をしていた当時は、洋服裏の縫い代の始末は生地端をパイピングで包んでいました。それがベビーロックでは縁かがりが一気にできてしまうので、購入してからはとっても楽になりました。それからは仕事で使ったり娘にも貸したりして、今はご近所さんにお譲りして使ってもらっています。

お母様が購入したベビーロックの初代モデル「EF-205」。1968年に発売され、全国の仕立て屋さんを中心に普及した。

ルリ子さんは後に「糸取物語 Wave Jet」と「ふらっとろっく」を購入されたそう。その魅力を教えていただけますか

ルリ子さん

まずは壊れにくいこと。

お母様

そうね。しかも今出ている機種だけではなく、私が買った2本糸のベビーロックも全然壊れませんでした。それってすごいことですよね。

ルリ子さん

『糸取物語 Wave Jet』は私の教室でも生徒さんに使ってもらっていますが、使いやすいと評判なんです! カットソーなど簡単に作れるので購入を考える方も多いですね。糸調子が自動なので誰が縫っても仕上がりの縫い目がキレイなところが良いのかも。

お母様

本当に昔からは考えられないほどの技術の進歩です。洋裁は大変な作業が多かったけれど、今のソーイングは縫っているのが楽しそうよね!

ルリ子さん

そうかもしれないね。さらにカバーステッチができる『ふらっとろっく』を購入してからは既製品のようなカットソーが作れるので、ソーイングの幅が広がりました。

お母様

今は昔のように腕じゃなくて、機械の良し悪しで仕上がりが違う。時間をかけずに仕上がりの良いものを仕立てられるのが、とても魅力的なのかもしれませんね。

今回デザインしていただいた作品のポイントを教えてください

1枚でサマになる。おしゃれ袖のプルオーバー

ルリ子さん 

夏らしいブルーの麻のニット地を使いました。袖には同素材のボーダーを。ドロップスリーブのデザインで、袖はフリル布を付け足して五分袖にしたので二の腕周りがこっそり隠せるのもポイントです。また、直線的なパターンにしたので型紙作りも簡単で、初心者の方にも作っていただけるかな。フリーサイズなのでいろいろな方に楽しんでいただきたいと思います。

オーバーロックで縫い合わせ

裾にはカバーステッチを

袖先は変形巻きロックを施して

山田ルリ子さんプロフィール

文化服装学院アパレル技術科卒業後、レディスファッションブランドのアパレルメーカーでパタンナーとして活躍。現在はWebのパターンショップ「ateller ru_」のほか、神奈川県葉山町でソーイング教室とオーガニックパンの教室を開設。作りやすく着やすい、シンプルなデザインには定評がある。
日本ヴォーグ社の通信講座「山田ルリ子のロックミシンソーイング」が好評。
ヴォーグ学園横浜校、名古屋校にて講師として活躍中。
Webサイト:http://www.atelierru.com/
instagram:atelier_ru_

著書
「kidsのふだんぎ」(文化出版局)
「いつでも着たい服」(文化出版局)
「1日で完成!はじめての子供服」(辰巳出版)
「ロックミシンで作る 毎日のおしゃれ服」(成美堂出版)
「ずっと着たい大人の服」(ブティック社)

※こちらのページはレディブティック2017年8月号に掲載されたものです。書籍情報はこちらから。

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